大阪市立 中央区民センター(一般財団法人大阪市コミュニティ協会)の方からのご依頼で、こども向けのお仕事体験を開催しました
2日間開催したうち、この日は小学校高学年のみんなに、生物・化学の分野のお仕事を体験して頂きました
最初は小手調べ。
凝固点降下現象を活用して、冷凍庫を使わずにジュースをアイスに変身させてみましょう
氷の中にお塩をたっぷり入れてかき混ぜます。
普通、水は0℃で固まって氷になりますが、塩とまじりあうことで固まる温度がもっと低くなるんです。
これが凝固点降下現象
よーくかきまぜたら、コップにジュースを入れて氷の中に埋めましょう
できあがりをお楽しみに

ここからが本題となる病理標本作りです
組織細胞の包埋(ほうまい) ⇒ 薄切(はくせつ) ⇒ 染色(せんしょく) ⇒ 顕微鏡で観察
という一連の流れを体験!
みんなには、かなり難しいことにも挑戦してもらいました


まずは包埋(ほうまい)
ちょっと熱いものを触りますので、青い手袋を装着
実験用のぱつぱつの手袋はちょっぴり着けにくくって、悪戦苦闘している姿も。
でもなんかかっこいいからみんながんばって着けました
包埋というのは、そのままだとやわらかくて切りにくい組織片を、パラフィン(ろう)で固く固めるための作業のこと。
ピンセットをうまく使ってケースを取ったり、パラフィンを入れたりしました
続く薄切(はくせつ)
は、パラフィンで固めた組織片を、観察できるように薄く薄~く切る作業のこと

どのくらい薄く切るかというと、なんと1㎜の1/200くらい

手先の器用さと熟練の技が必要な作業なんです。
誰からやるか、じゃんけんぽん
みんなやる気満々で一番にやりたいので、こども理科実験教室では、このじゃんけん大会は恒例になってます

薄く切るため、この薄切を行う機材「ミクロトーム」には、とてもとてもよく切れる刃がついています。
ケガしたりしないよう、在校生のお兄さんお姉さんがしっかりサポートしてくれました
かなり難しい作業なんですが、上手に薄く切っているセンスのある人もいましたよ
さらに、予定にはなかったのですが、パラフィンで固める代わりに組織をかちかちに凍らせてから薄切を行う機材「クライオスタット」にも挑戦
実はこの機材、病理系実習の機材の中で最も高額な機材なんです

みんなはその値段に食いついていました
そして最後に染色(せんしょく)
さっきの工程で薄く切った組織をスライドガラスに載せ、パラフィンや水分を取り除いたり、観察しやすいように色を付けたりする作業です。
アルコールや染色液に決まった順番に漬けこんでいって・・・
最後はカバーガラスを糊付けして封入!
これで完成です
★
さっそく観察してみます

みんなきれいな標本ができていましたよ
一生懸命に実験をしているうちに、かちかちに固まったアイスもできました
おいしくいただいて、本日は終了。
みんなおつかれさまでした~

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